金融機関のKYCと秘密鍵管理を両立するノンカストディアルウォレット技術で特許査定を受領
- 7月27日
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更新日:7月27日
本人確認済みの相手とのみ決済・送金を行う仕組みにより、自己管理性と金融サービスの信頼性を両立
goen合同会社は、金融機関等が実施する本人確認と、利用者自身による秘密鍵管理を両立するノンカストディアルウォレット技術について、特許庁から特許査定を受領しました。
対象となる出願は、特願2025-184658「情報処理方法及び情報処理システム」です。
また、goenは日本国内にとどまらない事業展開を見据え、関連する発明についてPCT国際出願を行っています。

金融機関の信頼と、利用者による自己管理を両立
ノンカストディアルウォレットは、銀行、暗号資産交換業者、VASP事業者等の第三者に秘密鍵を預けず、利用者自身が秘密鍵を管理するウォレットです。
利用者が自ら資産を管理できる一方、日常の決済や金融サービスへ利用する際には、次のような課題がありました。
取引相手が本人確認済みであるか確認しにくい
本人確認された利用者と、実際に秘密鍵を持つ利用者との関係を確認しにくい
金融機関が持つKYC・顧客管理基盤と接続しにくい
本人確認できない相手への決済や送金を、取引前に判断できない
従来は、金融機関等が利用者の資産や秘密鍵を管理するカストディアル型と、利用者が秘密鍵を管理するノンカストディアル型との間に、トレードオフがありました。
本出願技術は、この課題に対し、
利用者は秘密鍵を自己管理し、金融機関等は本人確認の信頼を提供する
という新しい役割分担を実現します。
査定対象技術の基本構造
本出願技術は、大きく四つの処理で構成されます。
1.金融機関等が本人確認情報を発行
金融機関等の本人確認手続実施者が、本人確認によって取得した情報と利用者のウォレットアドレスを関連付け、電子署名を施した認証情報を発行します。
2.利用者が秘密鍵を自己管理
利用者のノンカストディアルウォレットは、金融機関等から受け取った認証情報を基に、利用者自身が管理する秘密鍵で署名した資格情報を生成します。
秘密鍵や資格情報は、利用者の端末内で管理されます。金融機関等が利用者の通常取引用の秘密鍵を保管する構成ではありません。
3.取引前に相手側を確認
決済または送金を行う際、ウォレットは相手側から、本人確認手続済みであることを示す署名付き証明情報を取得します。
ウォレット自身が電子署名を暗号学的に検証し、相手側の本人確認状態を確認します。
4.確認できた場合のみ取引を実行
相手側が本人確認済みであると確認できた場合に限り、決済または送金を実行します。
確認できない場合には、取引を実行しません。

本技術の特徴
画像キャプション:KYC対応ノンカストディアルウォレットの技術構造、特徴、活用領域、関係者ごとの提供価値
自己管理
秘密鍵は利用者自身が管理し、第三者に預けません。
ノンカストディアルウォレット本来の自己管理性を維持したまま、金融機関等の本人確認基盤と接続できます。
相互確認
送金側だけでなく、受取側も相手の本人確認状態を確認する構成を想定しています。
双方が互いに本人確認済みであることを確認した場合にのみ、決済や送金を実行できます。
安全性
本人確認状態を確認できない相手との取引を、ウォレット側で実行しないよう制御できます。
詐欺、不正送金、マネーロンダリング等のリスク低減を支援します。
拡張性
ステーブルコインをはじめ、証券・トークン、NFT、デジタルコンテンツ、Web3サービス等、幅広いデジタル資産への応用を想定しています。
想定する活用領域
ステーブルコインの管理・流通
金融機関、信託会社、資金移動業者等が関与するステーブルコインの管理・流通において、本人確認済みウォレットを利用する選択肢を提供します。
金融機関口座との接続
金融機関口座とウォレットアドレスの紐付けを検証し、ステーブルコイン等のデジタル価値をウォレットへ払い出す構成や、ウォレットから金融機関口座へ戻す構成に応用できます。
企業間決済・資金移動
企業間の大口決済や、サプライチェーン内の資金移動において、送金側と受取側の双方を確認した取引を実現します。
対面リテール決済
NFC、QRコード等を活用し、店舗、企業、個人間で本人確認済み状態を確認したうえで、決済を実行することを想定しています。
証券・トークン、NFT、Web3
デジタル証券、各種トークン、NFT、デジタルコンテンツ、Web3サービス等において、本人確認済みの安全なアクセス・取引基盤として活用できます。
金融機関・利用者・取引相手に提供する価値
金融機関・事業者
金融機関のKYC基盤をウォレットサービスへ活用
顧客基盤を強化した新しい運用モデル
デジタル資産に関する新サービスの展開
本人確認済みウォレットとBaaS・金融APIの接続
利用者との決済・金融接点の維持
利用者
秘密鍵を自ら管理できる安心感
金融機関等の本人確認に基づく信頼性
本人確認済みの相手との安全な取引
デジタル資産を日常の決済や送金で利用できる利便性
取引相手・加盟店
取引前に相手側の本人確認状態を確認
詐欺や不正取引のリスクを低減
本人確認できない相手からの取引を受け付けない運用
安心して取引を実行できる環境
社会・エコシステム
安全なデジタル資産の普及促進
金融イノベーションの健全な発展
Web3時代の信頼基盤の形成
金融機関と分散型技術を接続する社会インフラの構築
本技術とAML/CFT対応について
本技術は、本人確認済みのウォレット同士が、取引前に相手側の本人確認状態を確認するための技術基盤です。
ただし、本技術だけで、金融サービスに求められるすべての法令・規制・運用要件を満たすものではありません。
実際のサービス提供には、スキームに応じて、次の仕組みと組み合わせる必要があります。
取引モニタリング
制裁リスト等との照合
疑わしい取引への対応
トラベルルールへの対応
取引記録の保存
個人情報保護
情報セキュリティ
消費者保護
必要な登録・届出および契約
goenは、金融機関、決済事業者、VASP事業者等と連携し、技術、法務、運用を含めた社会実装を進めることを目指します。
国内外での権利化と事業展開
ステーブルコインやデジタルマネーは、特定の国に閉じるものではありません。
goenは、日本国内における金融機関、BaaS事業者、ステーブルコイン関連事業者との協業に加え、海外の銀行、決済事業者、VASP事業者等との事業展開も見据えています。
関連する発明についてPCT国際出願を行っており、今後、事業展開地域や市場性を踏まえ、各国・地域における権利化を検討します。
協業・共同検証について
goenは、次の事業者との共同検証および事業化を目指しています。
銀行、信託会社、資金移動業者
地域金融機関
BaaS・金融API事業者
ステーブルコインの発行・流通事業者
電子決済手段等取引業者
暗号資産交換業者
国内外のウォレット・決済事業者
POS・決済端末・加盟店システム事業者
自治体・地域デジタルマネー事業者
主な共同検証テーマは、以下のとおりです。
金融機関のKYCとウォレットアドレスの接続
本人確認済みウォレットへのデジタルマネーの払出し
送金側と受取側の双方を確認する相互KYC
NFC・QR等を使った対面決済
本人確認できない場合の取引停止
金融機関口座への戻入
金融機関・ウォレット間の相互運用
国内外での規制・事業モデルの検証



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